最終更新:2026-07-30
📚 この記事は、警察庁の解釈運用基準(通達)・警視庁および各都道府県警察の公表資料・e-Govの法令など公的な一次情報にもとづき、航路編集部が内容を確認しています。
古物営業法は、たまに、しかし確実に変わります。許可を取ったときのままの知識で営業を続けていると、いつの間にか義務を果たせていない、ということが起こり得ます。とはいえ改正のニュースは流れていくばかりで、「結局いま何を守ればいいのか」がまとまっている場所は多くありません。
このページは、いま効いている改正だけを、施行日の新しい順に整理した一枚です。定年後やセカンドキャリアで中古品売買を始める方が、自分に関係のある部分だけを拾えるようにまとめました。改正があれば、このページを更新していきます。
いま効いている改正は、2つです
| 施行日 | 何が変わったか | あなたに関係あるか |
|---|---|---|
| 2025年10月1日 (令和7年) |
1万円未満でも本人確認・帳簿記録が必要な品目に、金属関係の4品目が追加 | エアコン室外機・電線・グレーチング等を扱うなら関係あり |
| 2024年4月1日 (令和6年) |
古物商が管理するウェブサイトに、氏名・公安委員会名・許可証番号の表示が義務化 | ネットで古物を取引するなら、従業者数に関係なく関係あり |
順に見ていきます。まず、見落とされやすい2024年の改正からです。
① ウェブサイトへの表示義務(2024年4月1日施行)
古物営業法第12条第2項・第3項および同法施行規則第13条の2にもとづく義務です。ひとことで言えば、「自分が管理するウェブサイトに、古物商であることを名乗りなさい」という改正です。営業所に掲げる古物商プレート(標識)の、ウェブ版だと考えると分かりやすいと思います。
まず、自分が対象かどうかを確かめる
ここがいちばん大事なところです。順番に見ていってください。
Q1. インターネットで古物の取引をしていますか?(自分のネットショップ、オークションストアなど、固有のURLを使った売買)
→ している場合は、それだけで対象です。次の質問に進む必要はありません。いわゆる「特定古物商」にあたり、従業者が何人であっても免除されません。ひとりで営業していても対象です。
Q2.(Q1が「していない」場合)自分が管理するウェブサイトを持っていますか?
→ 持っていなければ、対象外です。
Q3.(サイトを持っている場合)常時使用する従業者は6人以上ですか?
→ 5人以下なら免除、6人以上なら対象です。
ひとりで、ネットショップを使って中古品を売っている方は、この時点で対象になります。「従業員がいないから関係ない」と読み飛ばしてしまいやすいところなので、ここだけは押さえてください。
「常時使用する従業者」の数え方
警察庁の解釈運用基準(通達)では、労働基準法第20条にいう「あらかじめ解雇の予告を必要とする者」とされています。実務上のポイントは次の2点です。
- 法人の役員と、個人事業主本人は含みません。社長ひとりの会社なら、従業者はゼロと数えます。
- 古物営業に従事していない従業員も含みます。経理や事務の方も頭数に入ります。
何を表示するか
表示するのは、次の3項目です。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 氏名または名称 | 山田 太郎/株式会社◯◯ |
| 許可をした公安委員会の名称 | 石川県公安委員会 |
| 許可証の番号 | 第000000000000号(12桁) |
営業所に掲げる標識(プレート)と同じ情報だと考えれば、迷わないはずです。プレートの様式そのものについては、古物台帳の書き方と古物商プレートで詳しく扱っています。
どこに、どう載せるか
通達では、明瞭で、通常の人が読める大きさで表示することが求められています。ネット取引をする場合は、取り扱う古物の情報と一緒に掲載するのが原則とされていますが、トップページに掲載する方法や、そこへリンクを張る方法も認められています。
実務的には、ネットショップのフッターや「特定商取引法に基づく表記」のページに、古物商の3項目をあわせて置いておくのが現実的です。あちこちに分散させるより、一箇所にまとめてトップからリンクしておくほうが、あとで見直すときも楽になります。
守らなかったときは
表示義務を怠った場合、10万円以下の罰金が定められています。実際の流れとしては、いきなり罰金ということはまれで、まず警察から指示があり、繰り返せば営業停止命令、悪質であれば告発、という順に進むのが一般的です。
とはいえ、この義務はサイトに数行足すだけで果たせます。指摘を受けてから慌てるより、いま入れてしまうほうがずっと簡単です。
② 1万円未満でも本人確認・記録が必要な品目の追加(2025年10月1日施行)
古物営業法施行規則の改正です。買受けの本人確認と帳簿への記録は、原則として1回1万円以上の取引が対象ですが、盗難が多く被害回復の必要性が高い品目は、金額に関係なく対象とされています。この例外品目に、金属盗対策として4つが追加されました。
| 品目 | |
|---|---|
| 従来から | 自動二輪車・原動機付自転車(汎用性のある部分品を除く)/家庭用ゲームソフト/CD・DVD・Blu-ray等/書籍 |
| 2025年10月 追加 | エアコンディショナーの室外ユニット/電気温水機器のヒートポンプ/電線(家庭用のLANケーブル・TVケーブル・延長コード・充電ケーブル等は除く)/グレーチング(金属製のものに限る。コンクリート製は対象外) |
金属価格の高騰を背景に、銅線やグレーチングの盗難が相次いだことを受けた改正です。「金属くず」を扱う予定があるなら、金額の大小にかかわらず確認と記録を行う運用に、最初から組み込んでおいてください。
記録項目・保存期間・非対面での確認方法など、実務の詳細は古物台帳の書き方と古物商プレートにまとめています。
2026年7月時点で、次の改正予定は確認されていません
本稿の作成時点(2026年7月30日)では、警視庁の「古物営業法の解説等」に掲載されている改正は上記2件で、これ以降に施行された改正、および施行が予定されている改正は確認できていません。
ご自身で確認したいときは、次の順に見るのが確実です。
- 管轄の都道府県警察のサイト——「古物営業法の改正」で案内が出ます。運用の細部は都道府県で異なることがあるため、まずここです
- 警察庁の通達(解釈運用基準)——条文の読み方が示されます
- e-Gov 法令検索——条文そのものを確認できます